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「trois copains」プロローグ


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17年前…
その日はなかなか仕事が終わらず残業が続く連日の一日だった。



この静けさからすると会社に残っているのは自分一人だけだと分かった。
時計を見ると針はすでに夜中の1時を指していた。


「…少し休憩するか」

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安いコーヒーメーカーから安いコーヒーをドリップし安いコーヒーを胃にそっと流し込む。

窓からは見慣れた夜の街が見える。
ギラギラと輝くネオン看板、飲んだくれる若者、止まらないタクシー。
変わらない日常は安堵をももたらすが
そんな日々にどこか「空虚感」を感じ俺はイラだっていた。

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都会の街に隣接された灰色の海の向こうには俺が生まれた町がボンヤリと見える。

こっちの会社にはいってからはもう何年か帰ってない。
兄貴の娘が生まれてからも中々都合が合わずに会う所か祝いもしてあげられなかった
事をずっと後悔していた。


♪♪♪


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こんな夜中に携帯電話が鳴った。
着信は非通知…
不審に思い画面をしばらく眺めるがコールは鳴り止む気配はない。

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「誰…なんだ…?」

鳴り止まないコールに少し不安を覚えながら俺は通話のボタンを押した。


『もしもし??カイル・リーベン様のご携帯でよろしいですか?警察ものですが…』





「…え?」




それはとても
とても残酷な報告で。



俺の頭の中は真っ白になり携帯を持つ手に感覚がなくなり
ただ暗い夜空を見つめることしか出来なかった。


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『あなた様の兄にあたるジェス・リーベン様とその妻のサラ・リーベン様が
事故でお亡くなりに…』







時間は誰にでも平等で
気持ちとは裏腹に夜は着実に朝を迎えていた。



________________________________________________







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埋葬が終わり親戚の人達が帰った後俺はユーリを連れて
兄貴たちの墓石前に立った。

死因は事故死。

兄貴と妻のサラさんはユーリを家政婦に預けて2人だけで結婚記念日を祝い
旅行に出掛けていたらしい。
買い物途中にトラックが突っ込んできて…死体は見る影もなかった。



ユーリは初めて会う俺に人見知りしなく、昔から兄貴そっくりと言われる俺に
父の面影を覚えたのかすぐに懐いてくれた。

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生前兄貴は口癖のように
「後悔はすべて過去。仕方なかったことなんだよ」
と笑いながら言っていた。



「…そんな…簡単に割り切れたらっ…」

「うー??」

ユーリは何も分かっていない無垢な瞳で
俺の頬につたう涙をすっと手で撫でた。

小さい手。小さい体。
ユーリは俺と一緒で大切な人に先立たれてしまった残った側の人間。
親戚に恵まれないユーリを俺が見捨てればすぐに施設に入れられるだろう。
そんな事は絶対させない。

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きゃっきゃっと楽しそうにはしゃぎ
俺の襟足を引っ張ったり唇を摘まんだりするこの小さな命が
すごく愛しく感じられた。


「…俺はユーリを必ず幸せにする。
兄貴たちが愛した娘を俺が命をかけて育てるから…」







だから
遠い場所から見守っててよ。









________________________________________________


*7.22登場人物追加しました。
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No title

amisさんこんにちは~^^いよいよお話が始動しましたね!!待ってました~♪

カイルさんはお兄さんと中々会えていなかったんですね。
お仕事をしていたらそうなっちゃうのも納得なんですが
再会がこんな形でくるなんて・・・悲しい><
ユーリちゃん、こんなに小さい頃にご両親との別れがあったんですね。
まだ現実を理解できていなユーリちゃんの様子がまた切ない。

でも優しそうなお兄さんに引き取られたのは不幸中の幸いだったような気がします。
こんな素敵な叔父様だったら惹かれちゃうユーリちゃんの気持ちもかわるなあw

プロローグからして続きがとても気になります♪
更新待ってますね^^

No title

こんばんは~^^
お話きたーー!

最初から物悲しいですね。
カイルはお兄さんと仲良かったのかな?
仕事で誰とも会ってる暇がないとか、リアルでも割とあることですけど
こういう悲惨な出来事があると凄く後悔しますよね><;
ステレオタイプな日常でもじつは簡単に壊れてしまうってことが
凄く切ないです。

ユーリちゃん
カイルおじさんに引き取ってもらえて良かった。
とっても優しそうだし。心穏やかに育って欲しいなぁ…

早速お話の続きが気になりますよ~
また更新されるのを心待ちにしております♪

No title

amisさん、こんにちは~♪
ついに、お話きた~╰(✿´⌣`✿)╯♡
最初の>安いコーヒーメーカーから安いコーヒーをドリップし安いコーヒーにって言葉に思わずどんだけ安いんだ!!って1人でつっこんでましたよ~(笑)

それにしても切ない。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・
事故死だったんですね(´・ω・`)可愛そう~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・
ユーリちゃんも、こんな形で両親をなくされてたとは・・・(´・ω・`)

カイルさんみたいな優しい人に引き取られたのは、良かったですね☆
今後のお話が、どうなっていくのか、凄く楽しみです( *´艸`)♥”

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